低価格なレンタルサーバーってどうなの?

レンタルサーバー会社も増え、そのプランや価格も様々なものから選べる時代になりました。「今まで無料ブログを借りていたけれど、レンタルサーバーを借りて自分だけのサイトを運用してみたい」と考えた時、どのような価格帯のサーバーを選べばよいのか、迷ってしまうことも多いはずです。

「できれば安い方がいいけれど、低価格なもので大丈夫なの?」と不安に思う方に詳しく解説します。

お試しでレンタルサーバーを使うときにはどんな会社を選ぶと良い?

レンタルサーバーの費用の相場は?

レンタルサーバーの費用相場は幅広く、月額100円前後のものから1万円以上のものまであります。価格差に驚いてしまうかもしれませんが、この差は「サーバーの機能性・性能」に比例していると考えてよいでしょう。高価格のものであれば様々な機能が利用可能な他、契約者専用のサーバーが用意されるため、他の利用者の影響を受けづらくなります。

一方、低価格のものであればあるほど、機能に制限が増えていき、一つのサーバーを共有利用するため性能も担保されづらくなります。ただ、月額3,000円~1万円クラスのレンタルサーバーは、1日に膨大な量のアクセスが発生するような大型サイトや、強固なセキュリティを確保したい法人サイトなどが利用するものです。

個人が利用するものであれば、月額料金2,000円以下のレンタルサーバーから検討して問題はありません。

個人向けレンタルサーバーの選び方とは?

個人向けサイトでレンタルサーバーを利用する場合は、まず自分のサイトをどのように構築するのかをよく考えてみましょう。具体的には三要素あって、第一に「WordpressなどのCMSを利用するのか、HTMLで構築するのか」、第二に「独自ドメインを利用するのか、マルチドメインは必要か」、第三に「コンテンツは文章がメインか、画像や動画がメインなのか」ということについて検討する必要があります。

WEBサイトはどのような形式にする?

WEBサイトを構築しようと思った場合、HTMLやCSSで一からデザインするよりも、WordPressのようなCMSを使うという人が多くなっています。特にWordPressはUIに優れ、また無料で利用可能なデザインテンプレートも豊富なので、WEBサイト構築経験やプログラミングスキルがあまりないという人でも導入しやすいという特徴があります。

一方、そういったCMSが正常に稼働するためには、サーバー側に、特定のバージョンのプログラミング言語などの環境(稼働要件)が整っていなくてはなりません。低価格のレンタルサーバーの場合はそういった部分に制限を設けることでコストカットをはかっていることが多く、CMSの稼働要件に適合しないケースが見られます。

なお、特に最低価格のプランの場合、WordPressの場合は「インストール不可」となっていることも珍しくありません。

意外な落とし穴!プラン変更はできないことも?!

「うちはシンプルなHTMLサイトにするから、サーバーの性能が限られていても大丈夫」と思っても、運用しているうちにCMSに移行したくなる可能性があります。また、それ以外にも性能などの観点で乗り換えたくなることも多いでしょう。

このような時、「利用中のレンタルサーバーに手動でWordPressを構築する」といった方法で対応は可能ですが、そもそも契約中のプランにおいてWordPressの利用が許可されていない場合は、許可がされている上位グレードのプランに切り替えなければならないでしょう。

しかし、低価格のレンタルサーバーの場合、プランの切り替えに対応していないこともあり得ます。新しいプランを契約して、古いプランからデータを引き継ぐ手間暇がかかる可能性があるので、できるだけ先を見通して計画しておいた方がよいでしょう。

独自ドメインを利用する?マルチドメインは必要なの?

独自ドメインとは、レンタルサーバーなどが無料で提供する「初期ドメイン」とは異なり、契約者が希望する文字列によるドメインのことで、取得費用や年間維持費が一定額かかるものです。

その分、取得をして契約更新をし続ける限り、そのドメイン名を他の第三者が利用することはなく、契約者固有のURLとして利用し続けられます。WEBサイトを公開する場合、「初期ドメイン」と「独自ドメイン」のどちらであっても問題ないのですが、「初期ドメイン」がランダムな文字列などであるのに対し、「独自ドメイン」は人にとって分かりやすくインパクトの強い文字列を一意に選ぶことができます。

「初期ドメイン」はやたらと長い、あるいは手入力が難しいランダムな文字列になっていることが多く、「ここがどこのサイトなのか」が把握しづらくなるため、長期的にサイトを運用したい場合は「独自ドメイン」の利用検討が推奨されています。

また、「マルチドメイン」とは、レンタルサーバーのデータ領域を論理的に分割して、それぞれの区切りに対して個別のドメイン名を割り当てられる機能です。一つのレンタルサーバーで複数のサイトを構築する、あるいは構築したいと思っている場合は、この「マルチドメイン」に対応しているサーバーから検討することが大切です。

コンテンツのメインは文章、動画?

最後に検討したい項目としては、サイトのメインコンテンツの種類です。

最初はアクセス数は限られたもののため、どのようなコンテンツであっても性能に大きな影響は及ぼさないでしょう。しかし、アクセス数が増えていくにつれて、サーバーとクライアントPCのやりとりは激しくなり、遅延が発生し始めてしまいます。

特に注意したいのは画像や動画など、それ一つでデータ容量が大きくなりやすいものを扱う場合です。折角ユーザーがアクセスしてくれても、快適に読み込めないといった理由で、即座にブラウザバックで離脱をしてしまうかもしれません。

このような問題を防ぎたい場合は、「通信速度」で評価すると良いのですが、レンタルサーバーによっては非公開となっていることも多いです。どうしても性能面でも一定の力を発揮して欲しい場合は、最低価格のプランをさけることをおすすめします。

また、低価格なレンタルサーバーの場合は、単純な性能における問題の他、保存できるデータ容量に違いがあるケースが見られます。

低価格の場合は「10GM」などから始まり、利用料金が高くなるにつれて上昇していき、最後は無制限に使えるようになることも珍しくありません。もしも公開したいコンテンツが動画や音楽など容量の大きなものであれば、容量を重視して検討することも大切でしょう。

将来を見据えたプラン選びを

低価格のレンタルサーバーは数も多く、また実際に利用している人も珍しくありません。ただ、運用後のトラブルを防ぐためにも将来的なサイトの在り方を見据えたプラン選びをすることが大切です。月額利用料が約500円以内で選べる低価格サーバーには、それなりの制限を設けたり、機能を減らしたりすることによって、コストカットがはかられています。

上手に設計をして適切なレンタルサーバーを探してみましょう。