レンタルサーバーをテスト用に使う?手軽にテスト環境を整える方法とは!

運用しているサイトのアップデートや大規模改修のため、テスト環境が欲しいと思ったことはないでしょうか。トラブル回避のためにもテスト環境は整えたいところですが、常時利用するとも限らない環境に、多額のお金をかけるのは避けたいと思うかもしれません。
今回は、レンタルサーバーをテスト用に整えるメリットや、その方法について解説します。
お試しでレンタルサーバーを使うときにはどんな会社を選ぶと良い?
テスト環境を用意するメリットとは?
WEBサイトの公開後、サイトのメンテナンスや更新を行う時、本番環境をそのまま触ってしまい、何らかのトラブルに見舞われて慌ててしまうケースは決して珍しくありません。完全に個人的な趣味のサイトであればまだしも、常時アクセス数の多いサイトや、顧客の本番環境などでは絶対に避けたい事態です。
このような問題を防ぐ方法としては、やはりテスト環境でしっかりとテストを行い、問題が発生しない作業であるかを確認することが大切です。また、小さなメンテナンスや書き換えによるトラブル防止だけでなく、デザインの変更や新しいページ、コンテンツの作成を自由に試せる環境が常にあることで、サイトのレベルを高められるだけでなく、技術的なスキルアップをはかりやすくなるでしょう。
既にWEBデザイナーやPHP・Javaの技術者として活躍している人だけでなく、将来的に仕事をしたいと思っている人もテスト環境を持つようにしましょう。
手軽に運用できるCMSではリスクに気が付きにくい
wordpressなどのCMSは非常に便利で、知識や技術がなくても手軽にWEBサイトを公開・運用できるというメリットを持つものです。
セキュリティ対策や不具合解消のため、本体やプラグインなどは常にアップデートが行われていますし、稼働するために必要となるPHPなどのバージョンアップも求められることが多いです。
このような時、「更新してください」というメッセージが表示されるので、つい気軽に許可してしまいがちですが、サイト全体が閲覧不可になるような、大規模トラブルが発生する可能性が高い作業です。まずはテスト環境でアップデートを行い、それから本番環境で実行する癖をつけておきましょう。
レンタルサーバーでテスト環境を用意するメリットは?
テスト環境は、本番環境と同等あるいは限りなく近い構成が取れるのであれば、どこに準備しても問題ありません。HTMLサイトなどであれば、自分のパソコンのローカル環境に構築する人も珍しくないでしょう。ただ、レンタルサーバーに用意することで得られるメリットが三つあります。
第一に、本番環境に極めて近い状態になるため、「テスト環境では問題が発生しなかった作業を、本番環境で同じように行ったが、本番環境ではエラーが発生した」というようなトラブルを回避しやすくなります。なお、本番環境の運用を開始して時間が経過した後でテスト環境を用意する場合、運用中の本番環境のデータベースと、新たにテスト用に作ったデータベースでバージョン違いが発生しやすいのでチェックしましょう。
第二に、特に複数のテスト環境を保有する場合に、性能やデータ容量をひっ迫してしまう可能性が低くなります。特にローカル環境では、自分のサイト一つではなく、顧客のサイトなどを複数持つ場合は、スペック不足になる恐れがあるので、注意が必要です。
第三に、顧客などにサイトの内容チェックを依頼する際、データや画像などをいちいち送付せずとも、URLを共有することで、手軽にチェックして貰うことが可能になり、ページのスクリーンショットを送付するような手間がなくなります。
レンタルサーバーでテスト環境を用意する前に、確認したいこととは?
サーバーにテスト環境を用意しようと思った場合、まずはレンタルしているサーバーが「マルチドメイン」に対応しているかどうかをチェックしましょう。サーバーによってはこの「マルチドメイン」が許可されておらず、複数のドメインを割り当てられないことがあります。
例えば「hoge.com」というサイトを運用してる時に、「hoge-testdayo.com」のような適当なドメインを新規取得し、割り当てることで本番環境に絶対に干渉しないテスト環境を構築できます。マルチドメインができない場合は、レンタルサーバーをもう一つ用意するか、「サブドメイン」の活用を検討しましょう。
前者は追加の費用が発生しますが、後者であれば所有する「hoge.com」に対して「test1.hoge.com」といった任意のサブドメインが追加できるので、追加費用を必要としません。ただ、多数のテスト環境を持つ場合、サブドメイン名に留意しないと取り違えが発生するリスクが高まります。
できればマルチドメインに対応しているレンタルサーバーで、複数のドメインを取得して構築した方がよいでしょう。なお、本番環境を独自ドメインで運用している場合、初期ドメインが空いたままになっているケースが多くみられます。
この初期ドメインにサブドメインを割り当てることで、「追加費用なしに、本番環境に対応したテスト環境」を複数持つことが可能になるのでおすすめです。例えば、初期ドメイン「aiueo.co.jp」を所有していて、本番環境用独自ドメイン「hoge.com」を取得して運用している場合に、「testaiueo.aiueo.co.jp」というサブドメインを作り、そこをテスト環境として利用する、といった具合です。
レンタルサーバーでテスト環境を用意する時、必ずしておきたいこととは?
ドメインの割り当てなどが終わったら、本番環境を丸ごとコピーしてテスト環境を構築しましょう。ただ、URLの書き換えなどをしないと、「テスト環境のHTMLリンクを踏む」と「本番環境のHTMLページに遷移する」という状況になってしまい、作業に大きな混乱を招くかもしれないので、そこまで一括して行いましょう。
また、テスト環境の方は背景色を変えるなどして、視覚的な作業環境の取り違え防止策も重要です。こういった作業は「トラブル発生時にバックアップデータから本番環境を復旧する」という訓練にもなるので、非常に役立つ経験となるでしょう。
また、レンタルサーバーにテスト環境を作った場合、そのまま制限をかけないと「テスト環境なのに、全世界に公開されている状況」になってしまう点にも注意しましょう。「.htpasswd」ファイルを利用したベーシック認証をはじめとして、何らかのログインパスワードを設定し、無関係の第三者が閲覧できないようにする必要があります。
つい忘れがちですが、無駄なトラブルなどを防ぐためにも構築後すぐ設定することが大切です。
テスト環境に慣れておこう!
テスト環境で作業をしてから本番環境で作業をする、ということになると作業量は単純に言って二倍近くになります。
しかし、トラブル回避やスキルアップのためには、自由に書き換えてテストが行える環境が欠かせませんし、「作業時は必ずテストから始める」という考え方を身につけることも大切です。
ぜひ、自分の契約するレンタルサーバーの要件を確認して、テスト環境を構築してみましょう。